夢のような研修

ずいぶん前の話だが、大学在学中のアルバイトの時代の話だ。アルバイト先の研修ということで、研修先での出来事だ。

その研修は、家に帰れるほど近い場所ではないことから、研修中はその会社の社長の家に宿泊ということだった。私の他にアルバイトは3名で、私を入れて4名だった。1週間のバイト研修は、夢のような出来事だった。

職場での研修を終え、宿泊先の社長の家に着くと、3名のお手伝いさんが迎えてくれた。家に入ると私たちは、ひっくり返るのをお互い支え合いながら、家の中をふかふかのスリッパを履きながら歩き、食事の部屋に通された。そこはダイニングテーブルに10名以上座れる椅子があり、テーブルは大理石張りで、たくさんの綺麗な花がテーブルの上に飾られていて、豪華なシャンデリアと絵画と装飾の数々だ。その豪華な部屋で、フランス料理のフルコースと思われるような食事が次から次に出された。食事が終わると、今度は居間に通された。

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居間の入り口から社長が見え、大きすぎる黒色のソファーに埋もれていた。居間の入り口で、私たちは先を譲り合いながら、いかにして後に回るかということを考えていたため、譲り合いの心ばかりが先走り、居間に入り少し歩くと3段くらいの下がる階段があり、前方には、岩の壁の中に超大型のテレビが埋め込まれて、川まで流れていた。川には色とりどりの鯉が泳いでいた。ソファーも超大型の黒い革張りのソファーがコの字型になっていて、、私たちはソファに重なるようにびっちりお互いの隙間なく座っていると、お手伝いさんがワゴンにケーキやフルーツを乗せて来て、好きなケーキとフルーツを選ぶというシステムが待っていた。皆大学生で、こんな待遇は受けたことがない。『もう。帰りたい!』ケーキやフルーツ、高価な高そうなカップ&ソーサーで紅茶を飲みながら、『味はよくわからなかないですけど・・・。』と思いながら食べていた。社長との会話も皆緊張して、まるで私たちはロボットか?と思われる様な会話をしたことを覚えている。

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私たちが泊まるということで、社長がお布団を買っておいたという。その布団がある部屋に案内され、もう皆その部屋で遂にひっくり返った。そこは2つの部屋が続いた和室だった。30畳×2くらいか?いやもっと広い。遠山の金さんのお白洲より広い。そこに私達が使わせてもらうお布団が積んであった。布団自体の大きさは普通サイズだが、部屋が大きすぎることから、布団は小さく見え、本当のサイズがわからないほどだった。お布団の寝心地といったら、心地良さは極上極まり、ふかふかで深く埋もれてしまう。もう雲の上だ!掛布団もかけてるか、わからないほどの軽さと温かさに包まれた。

次に、お風呂に案内され、脱衣所は銭湯か?と思われるほどの大きさだ。その先にあるお風呂は、もう家庭用のお風呂ではなかった。滝は流れ、岩風呂でシャワーも私達の人数を知っていたかのように、4ケ所のシャワーがあり、それぞれに髪を洗い、体を洗い、皆でその銭湯のような巨大なお風呂に入った。まるで夢のような体験だ。

その後皆で、大きな部屋の片隅に布団を引っ付けて敷いて、就寝だ。お手洗いに行こうということで、行ってみたら、扉が1つあり、そこを開けるといい匂いと共に大きな洗面所と2ケ所の扉があり、それぞれに入れる豪華版のお手洗いだ。

翌日の朝、食事の用意が出来たということで、ふかふかのスリッパを履いて長い廊下を歩いて向かうと、右手に庭が見えた。昨日は暗くて何も見えなかったが、人よりも大きいサイズの特殊な見たことのない犬がたくさんいた。小屋もあちらこちらに5ケ所は見えた。犬も大きければ小屋も大きい。社長はその犬に餌を与えながら、犬とたわむれていた。社長に挨拶をして、食事の部屋で食事をして、仕事先に向かおうと玄関に出たら、黒い大きな車と白い手袋をした運転手がいた。私達を職場へと送ってくれると言う。もうお姫様じゃあないだろうか。

そんな生活にも少しづつ慣れていく私達がいた。最初はワゴンのデザートも味はわからなかったが、はっきり美味しいことも認識し、毎日のデザートが楽しみになり、社長との会話もたくさんできるようになって、和室の片隅から、和室の中央に移動して和室を広々使っていた。運転手さん付きの生活にも慣れた。そんなことを1週間経験していたら、まるで初めからここで暮らしていたのではないだろうか?という妄想と勘違いに取り付かれ出してしまった4姉妹だ。もう帰りたくなくなってしまった。この研修の中で、テーブルマナーを自然に覚えさせてもらったり、食器の銘柄にも詳しくなった。貴重な体験をさせてもらった研修だった。

バイト生活は短い期間でしたが、新しい美しい世界を見せてくれた研修の体験でした。若かった私達をレディーとして扱ってもらう事で、教養を養い、堂々としていられる機会を与えてくださった社長に感謝の気持ちは継続しています。

ここまで、読んでいただきありがとうございます

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